研究してみた

わらび餅|作り方による出来上がりの比較


こんにちは!天極堂プロスタッフです。
夏になると食べたくなるわらび餅。わらび餅粉に水や砂糖を加え、火にかけて練り上げる和菓子です。
わらび餅粉には複数の種類があり、それぞれ味や粘度の高さが異なりますが、同じ種類のわらび餅粉でも加える水の量や練り上げる時間の長さを変えるだけで全く違う食感に仕上がるんです。今回は『本わらび粉』『上餅わらび』を使用し、加水量とわらび餅の食感(柔らかさ)、そして練る時間の長さと餅の伸びの関係性について検証を行ないます。
まずは商品ごとの特徴をご覧ください。
本わらび粉 上餅わらび わらび餅粉 並
原料 国産わらび澱粉100% わらび澱粉と加工澱粉のブレンド 甘藷澱粉100%
特徴

黒っぽい色合いと非常に強い弾力

強い粘りと生地の伸び

リーズナブルな価格ともちもちの噛み応え

商品 本わらび粉1kg 上餅わらび1kg わらび餅粉並 イメージ
価格 時価/100g
時価/1kg
時価/5kg
2,700円/500g
5,400円/1kg
53,020円/10kg
106,039円/20kg
918円/1kg
基本のレシピ
ここではスタンダードなわらび餅の作り方をご紹介します。今回は『本わらび粉』を使用しますが、別のわらび餅粉でも同じレシピが適用できます。
本わらび粉 イメージ
材料
・本わらび粉:100g
・グラニュー糖:100g
・水:400g(基本はわらび餅粉の4倍量)

作り方
①鍋に本わらび粉、グラニュー糖、水を加え粉が溶けるまで混ぜます。
②鍋を強火にかけ、全体が透き通って見えるまでしっかり混ぜながら炊き上げます。
③生地が透き通り濁りが無くなったら、水で濡らしたタッパー等の型に流し入れます。
④室温、または水中で冷やして固めます。
⑤ある程度固まったらきな粉をまぶし、好みの大きさに切り分けて完成です。
加水量と食感の関係性について
わらび餅粉の種類にもよりますが、当店では基本的に粉:砂糖は1:1、水が粉の重量の4~5倍程度の比率になるレシピをお勧めしています。
はじめは『本わらび粉』を使って、加水量の違いによる食感の変化を見ていきましょう。
本わらび餅 伸び比較
写真は加水量が異なるわらび餅を箸でつまんで持ち上げた際、わらび餅がどれだけ伸びるか比較した際のものです。
加水量が60ml(粉の3倍量)の餅はあまり伸びず、原形を保っています。食感としては歯切れの良さと弾力の強さが特徴的です。
加水量80ml(粉の4倍量)は60mlのものより柔らか。強い弾力を残しつつ、もちもちとした柔らかさも堪能する事が出来ます。
加水量100ml(粉の5倍量)の餅は写真から見てもわかる通りさらに柔らかさが増しています。"もちもち"と"とろり"の中間ぐらいの食感で、どちらかといえばとろりと舌にもたれかかるような柔さの方が強いです。
加水量が120ml(粉の6倍量)にもなると、60mlの餅とはまるで別物のような食感に変身します。粘りが強くなったことで長く引き伸ばしても生地が切れず、歯触りはさらに柔らかに。粘り強さと柔らかさが両立することで生まれる、ふわふわとした軽い食感が不思議な美味しさです。
練り時間と伸びの比較
先ほどの比較実験で、わらび餅の食感や伸びは加える水の分量によって大きく変化する事がわかりました。次は、練る時間とわらび餅の伸びの因果関係について実験してみましょう。
今回使用するのは『上餅わらび』。『本わらび粉』や『わらび餅粉 並』と比較して、さらに粘りが強くよく伸びるのが特徴です。伸びの差がより分かりやすくなるよう、加水量は粉の5倍で試作を行ないました。
上餅わらび 伸び比較
左写真が通常のレシピ通り、餅生地が透明になった時点で火からおろし、練るのを止めたもの。対する右の写真は、餅生地が透明になったら火からおろし、そこからさらに3分間練り続けたわらび餅です。
伸びの違いが一目瞭然ですね!伸びの良さは勿論の事、長く伸ばしても切れない粘り強さもアップしています。


わらび餅の柔らかさや伸び、食感は、粉の種類の他に加水量や練る時間の長さによっても変化する事が分かりました。
とろりととろけるようなわらび餅からぷるぷるとした強い弾力を楽しむわらび餅まで、好みに合った作り方でわらび餅をご堪能いただければと思います。
練り時間を延ばす場合は、水分が飛びすぎないように火からおろして練り上げるのがポイントです!

  • 2023.10.19
  • 15:59

草餅


こんにちは!天極堂プロスタッフです。
当店では、『冷凍よもぎ』『よもぎペースト』『至高のよもぎ』『粉末よもぎ』の計四種類のよもぎ関連商品を取り扱っております。これらの商品にはそれぞれ異なる特徴があります。前回の記事ではよもぎ蒸しパンを作り、実際料理材料として使用した際にそれぞれの特徴がどう影響するのかを検証しました。今回は異なる種類のよもぎ関連商品を使った場合の違いだけではなく、同じ商品でも分量が違えばどのような変化を及ぼすのか、という実験を行ないます。
各製品の特徴
まずは各製品の違いについてご説明いたします。
よもぎ関連商品 特徴
まず当店で取り扱っている四種類のよもぎ関連商品は、【冷凍タイプ】【粉末タイプ】に分類できます。 【冷凍タイプ】は『冷凍よもぎ』と『よもぎペースト』、『至高のよもぎ』と『粉末よもぎ』は【粉末タイプ】です。 【冷凍タイプ】は文字通りすりおろしたよもぎを冷凍にしたもので、『よもぎペースト』は『冷凍よもぎ』よりも更になめらかなのが特徴。 一方『至高のよもぎ』と『粉末よもぎ』の【粉末タイプ】は乾燥させたよもぎを余すことなく粉状に加工しており、『至高のよもぎ』の方が『粉末よもぎ』よりきめが細かいのが特徴です。
実食
『粉末よもぎ』全体重量の0.5%、1%
粉末よもぎ草餅比較
左が0.5%、右が1%です。
粉末の粒が少し残り、くすんだ緑色に仕上がりました。『粉末よもぎ』を0.5%混ぜ込んで作った草餅はほろ苦く、よもぎが優しく香ります。1%だともう少し苦みが増して、あんこの甘みがより際立ちます。香りについては0.5%のものと同程度。
『至高のよもぎ』全体重量の0.5%、1%
至高のよもぎ草餅比較
粒が『粉末よもぎ』より細かいため、生地全体の色合いが均一になっています。
0.5%の草餅は暗い薄緑。よもぎの香りと味は控えめです。1%のものはよもぎが優しく香りますが、味は0.5%のものと大差ありませんでした。
『粉末よもぎ』と『至高のよもぎ』の比較
粉末至高草餅比較
色味に関しては写真の通り。『至高のよもぎ』を使った草餅の方がはっきりとした発色に仕上がっています。『至高のよもぎ』は粒子が均一で粉体混合しやすく、簡単に扱えて便利。『粉末よもぎ』はよもぎの風合いが出しやすい粗目タイプなので、よりよもぎの素材感を目立たせたい方におすすめです。
『冷凍よもぎ』『よもぎペースト』
『冷凍よもぎ』と『よもぎペースト』の違いはなめらかさ。『よもぎペースト』の方が『冷凍よもぎ』よりなめらかですが、それ以外の点においては基本的に共通しています。そのため、『冷凍よもぎ』と『よもぎペースト』を同量ずつ使用して草餅を作っても、色や味に差はありませんでした。
冷凍よもぎ草餅比較
全体的にみて、先ほどご紹介した『粉末よもぎ』『至高のよもぎ』よりも明るい発色になりました。10%の明るめの黄緑色が世間一般のよもぎのイメージに一番近いのではないでしょうか。
よもぎらしい爽やかな香りが特徴で、10%はよもぎの味が控えめ。子供でも食べやすい草餅に仕上げるなら10%程度がおすすめです。15%の草餅は春らしいよもぎのほろ苦さを楽しめます。香りは10%のものと同程度。20%になると苦みが増し、甘い餡子によく合います。よもぎの香りもかなり強くなりましたが、強めといっても不快な香りではなく、草餅らしい爽やかな風味に仕上がっていました。
まとめ
草餅比較表
冷凍よもぎ/よもぎペースト:粉末タイプのものより香りが強く、よもぎらしい爽やかさを楽しめる。発色も明るく、自然な色合いの草餅を作る事が出来る。

至高のよもぎ:色は一番濃く出るが、味や香りは他の商品よりも弱め。一番きめが細かいので扱いやすく、草餅だけでなく洋菓子や麺類まで様々な用途に応用可能。

粉末よもぎ:『至高のよもぎ』よりも粗目なので、色が若干まだら状になる。よもぎらしい風合いを残したい場合におすすめ。ほのかなやさしい香りが特徴。
という結果になりました。
もちろん分量や上新粉・餅粉の配分を変えればまた違った出来栄えになると思いますので、是非色んな組み合わせをお試しくださいね!

  • 2023.06.29
  • 09:04

よもぎの蒸しパン


こんにちは!天極堂プロスタッフです。
当店では、『冷凍よもぎ』『よもぎペースト』『至高のよもぎ』『粉末よもぎ』の計四種類のよもぎ関連商品を取り扱っております。冷凍タイプか粉末タイプか、同じ粉末タイプでも粒子が粗いか細かいか…といった違いがあるのですが、実際に料理材料として使用した際にその違いはどう影響してくるのかを検証すべく、これら四つのよもぎ関連商品を使ってよもぎの蒸しパンを作り、その差を比較してみました!
各製品の特徴
蒸しパンを食べる前に、まずは各製品の違いについてご説明いたします。
よもぎ関連商品 特徴
まず当店で取り扱っている四種類のよもぎ関連商品は、【冷凍タイプ】【粉末タイプ】に分類できます。 【冷凍タイプ】は『冷凍よもぎ』と『よもぎペースト』、『至高のよもぎ』と『粉末よもぎ』は【粉末タイプ】です。 【冷凍タイプ】は文字通りすりおろしたよもぎを冷凍にしたもので、『よもぎペースト』は『冷凍よもぎ』よりも更になめらかなのが特徴。 一方『至高のよもぎ』と『粉末よもぎ』の【粉末タイプ】は乾燥させたよもぎを余すことなく粉状に加工しており、『至高のよもぎ』の方が『粉末よもぎ』よりきめ細かく、『粉末よもぎ』の方が明るい緑色をしているのが特徴です。
実食
よもぎペースト
よもぎ蒸しパン ブログ
香りの強さはまあまあ、といった印象。強くはありませんが無臭というわけでもなく、ふわりと香る感じです。後述する他のよもぎ商品3つと比べると少し固めのしっかりした食感が特徴。若干よもぎの繊維が残っている感じがありました。明るめの緑色で、よもぎらしい色合いに仕上がっています。
冷凍よもぎ
よもぎ蒸しパン ブログ
香りの強さと色味に関しては『よもぎペースト』とあまり差がありませんでした。草餅を作った際は『冷凍よもぎ』の方が『よもぎペースト』より明るい黄緑色になっていましたが、今回はほぼ同じ色になりました。繊維の残留感はなく、食感もふわふわと柔らかめで、より蒸しパンらしい仕上がりです。
粉末よもぎ
よもぎ蒸しパン ブログ
先述した二つに比べるとかなり暗い緑色になりました。香りは若干香る程度。繊維の残留感が先に述べた『よもぎペースト』よりも顕著になってしまいました。よもぎの繊維が口の中にもろもろと残るので、しっかりふるいにかけて繊維を取り除いてから使用する必要があります。
至高のよもぎ
よもぎ蒸しパン ブログ
至高のよもぎ』の蒸しパンは味も香りも苦く、ざらついた舌触りになってしまいました。使用量が多すぎたのでしょうか?元々の粒子が細かく、ふるいにかけなくてもそのまま他の粉や料理の材料と混ぜられるため、使いやすさという点においては最も優れているといえますが、分量の調整には注意が必要です。
まとめ
よもぎ蒸しパン ブログ
冷凍よもぎ:香り・発色ともに『よもぎペースト』と似ているが、繊維質な感じはなく食感もやわらか。水気をきる手間はかかるものの、個人的には今回使用したよもぎの中で最もおすすめ。

よもぎペースト:よもぎらしい明るい発色とほのかな香りを楽しめるが、固めの食感と若干残る繊維質がネック。

至高のよもぎ:味・香りともに苦く、舌触りがざらついている。元からかなり細かいパウダー状になっているため、使い勝手は良い

粉末よもぎ発色はかなり濃く、よもぎ本来の色味よりかなり暗い緑色になる。香りは弱く、もろもろしたよもぎの繊維が口の中に残る。
という結果になりました。
調理の際の使い勝手や応用のしやすさを求めるのであれば『至高のよもぎ』、味や色味にこだわるなら『冷凍よもぎ』がおすすめです。特に『冷凍よもぎ』に関しては、舌触りのざらつきや繊維の残留感が目立つ他の3種とは違ってよもぎの繊維っぽさが少なく、ふわふわの柔らかいパンに仕上がりました。使う前に水気をきらなければならない、という手間を除けば、総合的に最も優れているといえるのではないでしょうか。

  • 2023.06.29
  • 09:04

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